"Something different" 世界を変える豆腐バカ
2014年6月28日
今週は株主総会ラッシュでした。荒れ気味だった関電をはじめとした電力会社や武田薬品(外国人社長)など、注目の株主総会が集中していましたね。
そんな中、私が社外取締役を務めるCDG(ジャスダック上場企業)も昨日大阪にて株主総会、経営陣も原案通り選任可決され私も引き続き大役を拝命致しました。
ガバナンスの強化目的、会社法改正案が採択された影響で、社外取締役の選任が上場企業にて進んでいます。私もより一層緊張を持って任務を全うしたく精進して参ります。
さて、大阪出張から帰京して、本日は素晴らしいお話を拝聴しました。
そのCDG社が主催し、仕入れ先様などをお呼びして講演会を開催したのです。
お呼びした先生はミスタートーフ、こと、全米に豆腐を広め森永乳業現地法人社長であった雲田康夫氏です。雲田先生は「米国人の食卓に豆腐を並べる」ミッションを掲げ溌剌と豆腐普及に勤しみますが、はじめはけんもほろろだったようです。
米国人にとって肉が主食であり、大豆は「家畜のえさ」(feeding)と揶揄されます。しかも、ある新聞では「アメリカ人がもっとも嫌いな食べ物」になんと豆腐が堂々1位にランクされるほどの嫌われっぷり。途方に暮れないはずはありません。
もうダメかもしれない・・・
6年たっても軌道にのらず、撤退も視野に入れていたときのこと。
たまたまスーパーで大量の豆腐を購入する女性を見かけたのです。きけば彼女は「豆腐シェーク」をつくり、健康維持に生かしていたとのこと。生みの親でもある雲田さんから見ても目から鱗でした。
そんな折、たまたまテレビで雲田さんが豆腐について一所懸命アピールしていた影響か、なんと豆腐の噂はホワイトハウスに届くのです。しかもインフルエンサーは、当時のクリントン大統領夫人である、ヒラリー・クリントン氏。雲田さんがホワイトハウスに豆腐を贈呈したところ、ヒラリーさんからはサンキューカードが贈られ、ヒラリーさんのアピールが奏功して豆腐は全米で在庫がなくなるほど注文殺到になったのです。
はじめは「豆腐なんて」と邪険にされ失敗ばかりを重ねたよ、と笑いながら語る雲田さん。たまたま、と連呼するものの、確実なアクションが着実にチャンスをたぐり寄せる力を秘めていて、会場はもう釘づけでした。
雲田さんはいいます。
「Something different 」=誰かと違うこと をしなさい、と。
そして、「Something new」=新しいこと も。
何かの延長線上ではなく、誰かの真似でもなく、ただ人と異なることをチャレンジする。キンタロー飴にはなってはいけないと。
雲田さんも豆腐という、アメリカ人が最も嫌いだった食べ物を売ることでいつしか花が咲きました。クレイジーなくらい、愚直な信念と行動が引き金となって。
また、土壇場になると知恵が生まれると、雲田さんは続きます。業績が右肩上がりなんてあるはずもなく、しかし土壇場になると知恵が生まれ発想の展開への門戸が開かれる。
それこそ、変革の始まりでしょうか。
何もないから知恵を振り絞るし、負荷があるからこそ人は成長する。豆腐バカと呼ばれた一人の日本人の熱情が豆腐のイメージを変えたように、幾つになってもチャレンジングスピリットを抱く勇気を与えてくださいました。
(写真は大阪)