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失敗ばかりだった企業内でのリーダー経験が私にくれたもの

2022年6月18日

※本記事は2022年6月18日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
 日経xwoman Terrace(アンバサダーブログ)のサービス終了(2025年6月末予定)に伴い移転された内容です。

こちらにある、「女性管理職に関するアンケート」を、とても興味深く読んだ。

「自分自身の働き方やマインドで苦労したという人からは、独りよがりになり孤独を感じてしまった、仕事を抱え過ぎてパンクしてしまった、という声が寄せられました」
(本文より)

アンケートに回答した人たちそれぞれが、きっと抱えきれないほどの苦労や重圧を感じながら、いまも必死に戦っているに違いない。
それというのも、わたし自身、企業内でリーダー職を経験する中で同じような思いをしたからだ。
アンケートを見ながら、当時のことを思い出して胸が痛くなるほどだった。

部下が突然退職してしまった時。あるいは部下のメンタルヘルスの問題に、事前に気づくことができなかった自分を責めた。
新たな事業を進めるにあたり、社内調整、いわゆる根回しを怠ってしまい、大失敗したこともある。
ファイナンスに関する知識が浅く、会社の戦略を議論する場に入れなかった時は、本当に落ち込んだ。こらえきれずに涙を流した夜は数えきれない。

一方で、そんなふうに追い詰められたときはいつも「周囲に相談すること」で救われてきたように思う。
まずは思い切って、当時の上司役員に、自分の恥をさらけ出し、悩みを打ち明けた。
社内の事情に詳しい、身近な先輩からアドバイスをもらうことで、次のアクションにつながる道を見つけることができた。
そして、役職経験があるキャリアコンサルタントの方のカウンセリングを受けてみた。
プロの方と対話することで、客観的な立場から自分の置かれている状況を分析することができ、とても役に立った。

悩んでいると「八方ふさがり」の気分に陥ることも少なくない。
相談したくても「こんなちっぽけなことで、忙しい○○さんの時間を奪うのは申し訳ない」などと、つい遠慮してしまうものだ。私も、よくそんなふうに考えてしまう。
しかし「サポートを受けることの大切さ」を見逃してはならないと思う。
実際、ソーシャルサポートを受けることが、メンタル不全を緩和する要因になるという研究結果もある。また、相談する側だけでなく、される側にポジティブな影響があることも実証されている。
「相談」は、する側も、される側も、ともにWIN―WINの関係になれる可能性があるのだ。

また、いま振り返れば、当時泣きながら必死でもがき、苦労した体験は、結局現在の自分につながっていて、活力の源になっているとも思う。
キツい経験があったからこそ、キャリアや心理学に興味を持ち、社会人大学院や国家資格取得にもつながった。悔しい思いをしたからこそ、コーポレートファイナンスに関する勉強を重ね、今も常にアップデートするよう、自分に発破をかけているつもりだ。

「経験とはあなたに起きたことではなく、起きたことに対してどう行動するかである」
 (イギリスの作家、オルダス・ハクスリー)

あの日の失敗や涙も、きっと今の自分の財産になっている。
そう信じることができれば、どんな経験も尊いものですね。

GWに訪れた涸沢(長野県)。怪我で山を離れていたけれど、やっぱり私は雪山登山が大好きだったことを想い出しました。

※本記事は2022年6月18日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
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