剱岳へ
2016年10月9日
備忘録として登山日誌を残しておきます。今年は、これでもか、というほど台風が矢継ぎ早に到来し、計画していた登山日程も多くは流れてしまいました。そんな中、剱へ向かうときの中継点であり、劔のふもとにある小屋が営業最終週を迎えると知って、これは見逃すまいと思い、急いで富山へ向かいました。
剱といえば、映画「劒岳・点の記」にもなるほど、私たち山の愛好者にとっては格別な山です。登山家の中にも「日本国内なら剱が日本一」と言う人も多く、それだけ、日本一危険な山でもあり、同時にバリエーションルートが豊富で魅力が尽きない山でもあり、とにかくもう、別格なのです。
昨年の日記:/2015/07-05-2415/
あらかじめチェックしていた2日間の天候予報は、台風。レンタカーを富山空港から借りる時は、台風なのに大丈夫? と心配されながらも、室堂へ向かい、剱澤小屋へ。確かにそのときの予報も、あまりよくないものだったので、小屋のご主人からも心配していただきました。が、日ごろから「何かあれば撤退する」慎重さだけは身に着けている私。ですから、この時点では、まさか頂上まで行けるとは思っていませんでした……。
雨も嫌だし、風も吹かれるとそれだけで体力奪われてしまうので、雨風が来る前に下山しようと、朝4時に出発。空を見上げると、満点の星空でその美しさにため息が出ます。
標高を上げ、気づけば稜線に出て、風も穏やか。「これはいけるな」と、遅い速度の台風に感謝しつつ、岩稜をよじ登り、剱の頂へ。そして雲の間から見えた、大パノラマ! 富士山、そして反対には能登半島まで見渡せて、剱に登らせていただける幸せをかみしめました。
剱は帰りもアップダウンが激しいので、本当に良いトレーニングになります。高度満載の緊張も味わえるし。嬉しかったのが、一年前よりもコースタイムが大幅に短縮できたことでした。