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「結婚したい!」のに、積極的に動かないのは、なぜ? ~婚活の心理をテーマに研究した私が発見したもの~

2019年11月21日

※本記事は2019年11月21日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
 日経xwoman Terrace(アンバサダーブログ)のサービス終了(2025年6月末予定)に伴い移転された内容です。

敬愛する森本千賀子さんの記事。
「いい男」については、私は門外漢であるし、婚活もまったくの専門外である。けれど、「結婚したいなら、どうすればいい?」については、ほんの少しだけど、話せるかもしれない。

2年前、私が社会人大学院生だったとき、ある素朴な疑問が沸きあがり、消えなかった。
世間では広く浸透した「婚活」という言葉。
テレビを始め、多くのメディアで日々、目にするようになった。
ところが、私の周りで「結婚したい!」と口をそろえるたくさんの女子たちに目を向けると、そのセリフとは裏腹に、実際の婚活に励んでいる様子はない。
むしろ「婚活は、やる気のある一部の人がやるもの」という空気がある。なぜだろうか?
「結婚したい」気持ちと、実際の「婚活」。
その間には、思った以上に距離があり、何か壁がそびえているのではないだろうか?

この疑問を明らかにしようと、当時の大学院の先生や仲間、そして多くのアンケート回答者のご協力を得て「婚活の意欲が高まる心理」について研究し、その結果をある心理学系の学会で発表させて頂いた。

詳細は省くが、結論をいうと「婚活にまつわるイメージ」が、「婚活をしようとする意欲」を邪魔していたということだ。

婚活に対して「短時間でお互い成長していく場」といった、肯定的な考え方をしている人は、実際に「婚活をしよう」という気持ちになり、活動を始めていた。

一方で「婚活は面倒くさい」(←これ、忙しいキャリア女子にありがち!)、「婚活はガツガツしているイメージがある」といったネガティブな考え方をする人たちがいた。
つまりこの考え方こそ「結婚したい」と言っているにも関わらず、婚活に踏み出す道を阻む考え方だった。
婚活という言葉が浸透する一方で、実際にアクションを起こす人が限られているのは、こういった考えが広がっているためと思われる。
(かくいう私も、離婚組であり、婚活に踏み出せない気持ちもよく分かります…)

学会でこの研究結果を発表したところ、尊敬する先輩からお言葉をいただいた。
「婚活に対して『ガツガツしている』というイメージを持つこと自体が、日本人の特徴を表しているね」

婚活に対して「ガツガツしている」という批判的な印象を持つということは、裏を返せば「自分の行動を、人からどう思われるのかを気にしている」ということ。
つまり周囲から「あの人、肉食だよね」「ガツガツしているよね」などと思われることがイヤなのだ。その結果、日本人は「目立つ行動はしない」という選択に向かいやすい。

しかし、私がこの研究を通じて感じたのは、恋愛でも婚活でも、もっといえば人生においても、「周囲を気にせず、恐れずに積極的に動くことが重要である」ということ。

私は職業柄、ハイパフォーマー営業女子(記事元の森本さん含む)に無数にインタビューしてきた。そして、どの世界でも、高い業績を生み出す人に共通するのは「人からどう思われるのかを気にしない人」だった。
もちろん、相手の立場にたった行動は大原則だ。しかし彼女たちは「ええっ! それって恥ずかしくないの?」と思うような行動も、平気でやってのける人たちだ。それくらい積極的であるからこそ「売れる女性」なんだと思う。

チャンスの神様には前髪しかない。
ここだ! と思ったら、何ごとも行動に移すって、大事ですね。(と、自戒の意味を込めて)。

クライミング修行中。写真はアルパインクライミングの聖地・剱岳にて。

※本記事は2019年11月21日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
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