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立川志らく師匠・演劇らくごを鑑賞してきました

2013年6月23日

落語はド素人の私であるが、営業の世界に飛び込んでからしきりに教わっていたことがある。
「話し上手になりたいなら、落語から学びなさい」
それも一度、二度の話ではない。そこまで言うなら、と当時は訳もわからずに新宿末広亭に並んで初めて落語を体験したのを今でも覚えている。
あれから10年以上たっただろうか。立川志らくの演劇らくごが公演されるというので早速観賞してきた。立川志らく師匠とは、独演会のチケットが5分で売れ切れるほどの落語界の大スターである。しかも演劇とらくごという、演劇と落語のコラボ作品である故、私のようなド素人でも安心してその世界に耽ることができるというので余計に気分は高揚する。
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さすがに会場の赤坂レッドシアターはビッシリ満席御礼、志らく師匠の落語の1席に早速会場は笑いの渦。その落語に続いて芝居が繰り広げられ、そこには実力派俳優の相川一之や蛭子能収、ミッキーカーチスまで馴染みのある顔ぶれが登場する。舞台は昭和20年の戦争後の広島。貧困層の人たちの間に繰り広げられる世界に、私も一緒にいった母も、ただ楽しさに耽る一方であった。
話を戻そう。なぜ、落語が話し方の学び教材になり得るのか?
ド素人の私ながらに感じたことを綴ってみようと思う。
落語において注目すべきは、話の展開、抑揚、スピードのメリハリ、表現力だ。そこには噺家(落語家)と、1枚の座布団のみ。「ことば」しかないのに、そこから湧き出るのは私たちの無限の想像力だ。噺家のことばと扇子、手ぬぐいしかないのに、あたかも目の前にその風景・情景が体感しているような独特な世界観が広がっていく。扇子はある時は蕎麦をすするお箸になり、ある時は音の出る笛になる。「ことば」から豹変する異次元の世界へ、私たちはただ吸い込まれてしまうのだ。
「聴き手」をグイッと惹き付け、「一体感」を紡いでいく過程は実に勉強になることばかりである。
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我がBOSS・吉田正樹氏もプロデューサーを務めている、
下町ダニーローズ第15回公演 演劇らくご「死神が舞い降りる街」。
6月30日まで公演は続くそうなので、詳細や日時は、こちらの 下町ダニーローズHP をご覧ください。

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