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全国から視察&取材年間250件以上。人口6000人の田舎町にITベンチャーの移転が殺到するワケ

2014年6月22日

昨日のイベントに続き、神山温泉でたまった疲労を洗い流した後は、待ちに待った神山ツアー!
徳島県の神山町については以前表敬訪問したときも、そして昨日のイベントでも、徳島県の飯泉知事より重ねてお勧めいただいておりました。だからこの日を、まるで小学生がテルテル坊主をカーテンレールから吊り下げるような気持ちで、待ち焦がれていたのです。
高齢化と少子化にともない、日本全国の山間部では急激な過疎化が進んでいます。町、村から若手を中心とした労働人口の流出がやまずに限界集落となり、地域としてのコミュニティが成立しなくなった箇所も枚挙にいとまがないようです。
しかし、この神山町はちょっと違いました。
私が想像していた、所謂“片田舎”(失礼)とは一線を画していたのです。
かつて2万人ほどいた人口も今や6100人ほどに縮小してきているものの、転出者よりも転入者が多いという不思議な事態になっているのです。どうやら、東京をはじめとしたITベンチャーのサテライトオフィス設立や移転ラッシュが続いているようで、空き家とかした古民家がリノベートされてオフィス空間に変わっているのです。
全国から、クリエイターやエンジニアが移住を決めて、異質な人と人との出逢いがさらなる新規性や奇想性を生み出している。
下記の写真は、名刺管理ソフトで急伸中の、Sansan のサテライトオフィス(神山ラボ)。こちらの会社さんでは毎年新入社員研修が行われたり、開発者のみならず営業担当も遠隔ワークで働くといいます。
なぜ、そんな働き方ができるのか?
その答えのひとつとして、知事が情報通信に熱心だったこともあり、いち早く徳島全域にて光ファイバーを設置。その規模は全国1位。速度が速いが自慢の抜群のIT状況は、マイクロソフトやヤフーなど大手IT企業の社員が一時滞在で訪れることも多いとか。
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ちなみにSansanさんが提供する個人向け名刺管理アプリ「eight」は私も愛用者です。eightを登録しようとすると、きっと太田の顔が出てくることでしょう(応援している関係で笑、今もそうなのかな?)
このような、古民家を改装して企業のオフィスになっている例は、神山あちこちに。
さすがクリエイティブの街という代名詞がふさわしいように、思わず「おっしゃれ~」と声を発してしまうような雰囲気なんです。
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よく視察用のマイクロバスが停車している人気スポット、えんがわにて。元々は映像系の会社なのですが、数年前からサテライトオフィスを神山に設立。何よりも地域貢献しているのは、現地の社員20名ほどを雇用している点です。
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「ガイヤの夜明け」やNHK「クローズアップ現代」はじめ、神山の取組は多くのメディアでも注目を集めています。一年間で、視察&取材対応はなんと250件。私もテレビで拝見したことがありました。
こちらは、元縫製工場を改装した、コワーキングスペースの神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス。この日は日曜日だったので休業日でしたが、時間にも場所にもとらわれないまったく新しい働き方が交差するインフォーメーションセンターのような場を目指しているそうです。
以前、四国の県知事サミットやマイクロソフト社のビッグイベントもここで開催したとか。
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長時間労働による限界や、従来の均質的な考えや思考だけでは打ち勝てない、多様化の時代。しっかりとビジネスパーソンとしての基礎やキャリアを築いた後には、このような周囲の雑念に振り回されない環境で、成果にコミットするワークスタイルを実現できる格好の場だと感じました。
実際に、大手企業の新規事業開発合宿や新製品の実現化に向けたブレスト会などが短期的に行われているようです。
ちなみにこのポスターにあるように、「川でパソコンをあけて仕事している」シーンが画期的で多くの若手の心をわしづかみにしたようです。
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どうしてここに来ると人はクリエイティブになるのか?
その秘訣を、実際に神山生みの親・グリーンバレー代表の大南さんにお話を伺うことができました。町の人たちを合意形成していった経緯や、なぜここまで移住者を受け入れてくれるオープンマインドな気質を持っているかなど、ここでしか聞けない生の話のオンパレード。かつてはスタンフォード大に留学しておりシリコンバレーを生の眼で見た大南さんの、十数年前の着眼点には脱帽でした。
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初めまして~の、同じように地域活性を手掛けている皆様と一緒にランチ。見知らぬ人でも、この街では仲間になり未来に向けたポジティブディスカッションができるカオス具合も、神山の魅力でした。
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「何かを奪い取ってやろうという人」は上手くいかず、
「自分は何を与えられるだろうと動く人」は上手くいく。
この黄金ルールともいえる教えは、神山にもピッタりです。
大南さんはじめランチで盛り上がったのは、
ここに来れば私を変えてくれるという他人任せ、場所が悪い、誰かが悪いではどこにいっても上手くいかない。
それよりも、自分という人間はこの場に何を与えられるのか?というgiveの精神を持つ人はどこにいっても重宝される。
「ここは田舎だし何もないから失敗するだけ、何もできない」では、本当はそこに可能性の原石があるにも関わらず、自ら研磨前のダイヤを発見しようともしない。
私はこの場に、何を与えられるのか?
そんな意思を持つ人と人との化学反応が、やがて未来コミュニティ創造へと発展し、次世代の楽しさに紡いでいく。そんな大きなうねりの中で、一瞬でも神山の魅力に生で触れることができたのは最高の幸せでした。
コーディネートしていただいた笠井さん、畑さん、そして花咲かねーさん組合皆様、ご一緒させていただきました皆様に感謝いたします。
週末、エネルギーチャージも完了し、このパワーでこの一週間も楽しく過ごして参ります!

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