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ママ営業が日本を救う?圧倒的な強さの秘密がここに

2013年6月26日

今朝の日経新聞に、大変興味深い記事が掲載されていた。

気がつくと現場に活力 女性がしなやかに革命  :日本経済新聞

日経新聞(2013年6月26日付)によると、こちらのママ営業チームは、通常のチームよりも2倍の成果を出しているという。このような先駆的な取組、ママ営業の活躍は本当に素晴らしく、今後の日本を牽引していくだろう。
私はママ営業チームの導入、賛成派だ。ほんの数年前までは、このようなチームを立ち上げても様々な理由で続かず上手くいかなかったが、やっと時代は味方に付き始めたようだ。何よりも、ここ数年多くの企業のトップコミットメントが変わった。5年以上前から先駆的に取組んできた企業が今花を咲かせ始めている雰囲気だ。
日頃の講演や研修等でもお話しさせていただいているが、私は仕事柄、女性が変わる瞬間に出逢えること無数。その中でも“お母さん”が営業職に転身してからみるみる業績を上げてきた例を私は何度目のあたりにしたことだろう。私も“母”をしながら“営業”に携わった身として、そして多くの企業内のママ営業と接して、「彼女たちが圧倒的に強い」5つの理由を簡単に述べてみたいと思う。
言うまでもないが、ママ営業=すべてがハイパフォーマーというわけではまったくない。すべての企業において優績者は男女関係なく、独身既婚者問わず存在するので、あえていえば、というレベルで綴っていく。
1.制限されたほうが上手くいく
文字数が無制限の手紙、メールであれば言いたいことをすべて伝えようとするあまり、ダラダラ長い文章と化してしまうことが多い。けれど文字数にリミットがあれば、かえって無駄はそぎ落とされ要点のみが残りスッキリする。
時間も、同じ。早く帰らないといけないから、限られた日中時間を1分でも効率的に消化しようと企て、最重要なことから優先的にこなしていく。だから、無駄がない。
2.相手の目線で行動できる
どうにもならぬこともある、それが子育てにおいては無数に存在する。だからこうなんだよ、と説明しても泣き続けるし、いけないことだよと諭してもスプーンを放り続ける・・・。育児をしているとこのような場面は毎日出逢うことで、忙しい母親を途方に暮れさせる。だからこそ、どのように接すると子供も理解してくれるのか、どのような言葉をかければ我が子も聴いてくれるのかを母親も日々考え、学んでいる。
大人のコミュニケーションも同じである。営業現場では顧客側の都合もあるし、まず営業なんて誰もが受けたくない。だからこそ、どんな言葉を発すると相手は振り向いてくれるのか、どのようなアプローチであれば心動かされるのか。相手の目線で動くことができると、自ずと営業もできてくるようになる。
実際の現場でも、社内NO1のトップセールスが「母」だった、というケースは意外にも多い。
3.広い視野で問題解決ができる
実際私の場合もあった経験だが、ママ友との雑談から販売促進のネタが思いついたこともあり、それを顧客への提案営業に活かしたら大当たりした。母になると、これまでの交友関係、生活圏がより広くなることで違った生活者視点でとらえられるようになる。例えば、ベビーカーを押しながら子供を抱っこしている母親を見て大変と手を差し伸べられるのも、少しの気づきがわかるようになるからである。
4.時間のやりくりが上手い
これは会社や職種によって大きな差が出てしまうが、基本外回りの営業のほうが時間に拘束されない、と私は思っている。自由と責任という、結果さえ出していれば自由が手に入れられ、同時に時間の融通も認められるようになる。ちょっと気になったら移動時間に家族に電話だってできるし、忙しいからこそ「スキマ時間」の達人や「~ながら」という同時進行が上手くなるのも母ならでは。
5.覚悟を決めている
正直、母になりながら営業をやるということは、相当な覚悟を決めていないと続かない。経済的にも仕事は辞められない、しかし腰掛では数字を担うこの世界では生き残れないこともわかっている。育児で培った我慢強さが功を奏せば、顧客活動で少々嫌なことがあってもそれが人生と割り切ることができるし、ケセラセラと小さなことにクヨクヨしている暇もない。手前味噌だが、営業部女子課にいるママ営業達は、逆境を笑話にしてしまう底抜けの明るさを持ち合わせ、子供と少しでも週末楽しく過ごせるために平日は必死に働いている。
これらはもしかして、ママ営業にだけに通じるものではないものかもしれない。けれどもなぜ、あえて私がここで述べているかというと、ママになっても営業職であることを諦めず、むしろ「ママであるからこそ営業に挑戦する」など、もっと「ママ営業」が増えて活躍し続けてほしいと切に願っているからである。
言うまでもなく、ママ営業たちがいるだけでそのままハイパフォーマンスは望めない。
ママ営業が本当に活躍できる職場づくり、職場の理解、トップコミットメント、本人の意思、家族の理解、働き方の変革、営業の悪いイメージの払拭…さまざまな働きかけが同時に必要となってくるものだ。
ちょっとだけ人よりも早くに出産を経験し、何もとりえがなかった元主婦の自分は営業の世界によって救われ、夢が持てるようになった。そんな自分だからこそ、企業においてはより多くのリーダーの皆さんがママ営業の採用&育成のチャンスを広め、そしてママ営業においては出産を経ても営業に携わり続けてほしいと強く願っている。
今後の日本を活するパワーの一つとして、ママ営業は大きなカギを握っている。

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