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コラムには書ききれなかった、涙がこぼれたお話です。

2017年1月15日

先日は、キャリア系シングルマザーをテーマに取材し多くの反響を頂戴しましたが(その時の記事はこちら)、今回はシングルファーザーのリアルがテーマです。
コラム:仕事一筋パパが妻を亡くして直面したこと
http://toyokeizai.net/articles/-/153108
中でも、昭夫さんの「娘さんの学校の買い弁禁止」「交通安全母の会への強制参加」や、浩志さんが経験した「家庭裁判所による、子供はお母さんと同居が前提の判決」といった点には、深く考えさせられました。これまでの「仕事は父、育児は母」を前提にした固定観念に苦しんでいる姿が見えて来て、私たちもそこから卒業する必要性を感じました。
そして、コラムには書ききれなかったのですが、思わず涙がこぼれるお話もありました。
コラムにもあるように、当時の昭夫さんは仕事、育児、の猛烈生活でした。昭夫さんがいつものように頑張って食事を用意したある日、娘さんが、いつもと変わらぬ献立の食卓を見て「え、今日はこの食事?」と言い残し、突然二階へかけあがり、部屋に閉じこもってしまったのです。昭夫さんはハッとしました。なんと、その日はお嬢さんの誕生日だったのです……。
あまりにも忙しすぎて、思春期の娘の誕生日さえ忘れてしまった昭夫さん。その夜、亡き妻の仏壇に、娘が書いた1通の手紙がおいてありました。そこには、こう書かれてあったのです。「お母さんへ 今日は私の誕生日だったよ。けれど、誰もお祝いしてくれなかったよ……」
昭夫さんは「猛烈に反省した」と語ってくださいました。しかし、仕事、家事、育児と、命を削るようにして何とか生きていた昭夫さんを、どうして責めることができるでしょうか……。
私も思わず涙がこぼれました。
登場してくださったお二人の壮絶な人生に言葉が出ない場面もありましたが、取材前に想像していた以上の「親子愛」も感じることができました。お子様を一人前に育てようとこれまで子育てを第一にしてきた姿に、共感と感動を覚えました。
 

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