メインビジュアル

キャリアは偶然の産物ではない

2014年1月22日

昔読んだ名著に、「ゴールは偶然の産物ではない」という本がありました。これは、破産寸前だったサッカーの名門FCバルセロナがたった4年で世界No1クラブに生まれ変わった経営戦略が描かれたストーリーで、サッカーマニアでなくとも読み耽ることができるビジネス本。勝利のVを勝ち取ったサクセス物語に私は大きな刺激を受けました。
なぜ、こんな話を思い出したかというと、今日は四国のあるメガ企業さまの研修にて「キャリア」に関する話題が挙がったからです。キャリアと耳にして、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべることでしょうか?
今までの積み重ね?それとも地位役職を上げていくこと?
はたまたノンキャリア組、キャリア組というようなイメージ?
そのメガ企業の女性の皆様にとって、一番近いイメージは上記3つのうちの最後のアンサーでした。何か管理職を目指すようなイメージで自分にはハードルの高いお話だと。
* * *
プランドハップンスタンス理論というものがあります。これは、99年にスタンフォード大学クランボルツ教授が提唱したもので、別名「計画的偶発性理論」。100人以上におよぶビジネスの成功者のキャリア分析をした結果、8割は「今のキャリアは予期せぬ偶然によってつくられたものだ」と答えたそうです。結果、この“プランド・ハップンスタンス”(=Planned happenstance)はキャリア論において著名な定説となり、計画された偶然という訳語も誕生したのでした。
本当に、キャリアは「偶然」によって生まれたものなのでしょうか?
ここでのポイントは、舞い降りた偶然をそのまま偶然として捉えるのではなく、「偶然によって生まれたキャリアを努力によって発展させることができる」という点です。そしてこの理論は、偶然をただ天から降ってくるのを待つのではなく、「偶然」をたぐり寄せるための日頃の努力(=土台づくり)や、チャンスをつかむための地道なアクションが必要だということを示唆しています。
世の中の成功者も、「ラッキーなだけだったんです」とか「たまたまです」と謙虚な声を発する人はたくさんいますが、本当に「ラッキー」だけが重なったとは到底言えることではないでしょう。「運は努力する者に来る」という言葉を残したのは元トヨタ会長の奥田氏ですが、運と努力は実は強い絆で結ばれていたりするのです。
ゴールは偶然の産物ではないように、キャリアも偶然の産物ではないはずです。であれば、未来のキャリアをより拓いていくためにも、“いま”の自助努力や行動を重ねていくことが毎日を生きるうえで大切なことですね。
__
(今日は、うどん県におりました)

戻る