ずば抜けた情熱は、何をもたらすのか?
2013年8月22日
成功の裏に努力あり、とはよく耳にするが、史上にもその名を刻んだ「1964東京オリンピック」招致の舞台裏には3名のキーパーソンがいるという。
今日は最近見たNHKの「1964東京オリンピック招致にかけた男たち」から考えてみたい。
私が視聴したのは第2回目の番組。ここでは、当時1964年開催のオリンピック立候補都市(ウィーン、ブリュッセル、デトロイト、東京)の中からどうやって東京がその権利を勝ち取ったのかを、田畑政治、フレッド・イサム・和田、平沢和重という3名の名士にクローズアップしていく。
中でも私が胸を打たれたのは、日系二世であった和田氏が私財をなげうってでも日本PRのため中南米を夫人とともに行脚したという事実。当時は未発達の交通網や治安の悪い中それでも祖国のために「敗戦で希望を失った日本にぜひ光を」と嘆願しながら各国のIOC委員を訪ねていく。アメリカ優勢であったムードからパッションで奪還していく底力は、「1964東京オリンピック」がもはや既成の事実と化した今、誰が想像することだろうか。
「FAR EAST」と揶揄されていた日本。にも関わらず34票という見事な圧勝を引き寄せた結果は、まさに3名の男たちが精魂捧げた賜物だとしかいえないだろう。
ここから、何を学べるのか?
凡庸かもしれないが、「情熱」と「それが正しいと信じ込む力」と、「行動」が人を動かす原動になり得るということだ。
敗戦後の混乱期をひきずる空気を明るい話題で日本中を埋め尽くしたいと願う、そのパッションを信じてやまぬ『思い込み』が、完全アウェイな中南米を夫人と単独で廻る執念にと紡がれていく。
そう、事実は変えられない。けれど「人の思い込み」次第でその後の未来は行動で変えられる。まさに、ABC理論そのものだ。※ABC理論については過去のブログで綴っているのでぜひ。
これって、私の周りのトップセールスにも通じるものだと感じてしまう。ずば抜けた情熱は、良い意味での『勘違い脳』に染色され、その結果『行動摩擦』というものを消してしまう。つまり、「私は正しいことをしている」という圧倒的な信念は、「こんなことやっても意味ないのでは?」だとか「こんな失礼なこと人に言えない」等の摩擦やノイズを打ち負かしてしまうので、自分の行動にも確固たる自信をもって一歩を踏み出していけるのだ。
※「行動摩擦」については太田彩子著「成功できる人の営業思考」(PHPビジネス新書)にて説明しています。太田彩子の書籍
フレッド・イサム・和田氏のずば抜けた情熱は、行動摩擦を打ち消して、非常識であったオリンピック誘致の懇願の旅に出た。そして、「FAR EAST」と揶揄されてきた日本を見事に変えて新しい歴史も一緒に連れてきた。
その源は、たったひとかけらの情熱から。
ABC理論について触れたので、さらにこちらも備忘録。よく研修では説かれる、ABCDという法則。
A 当たり前のことを
B 馬鹿にせず
C ちゃんとやる
D (それが)できる人
当たり前のことでも、さらにその行動をすることで何をもたらすのか、どんな人たちが救われるのかを思い描けば、仕事ももっと情熱的に楽しくなるはずだと思う。
※こちらの写真は、この夏登った十勝岳(北海道)