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「学生出産」座談会のウラ話と、新たな出会い

2016年4月16日

お陰様でこちらのコラム、Yahooトップページにも掲載いただいたようで、大きな反響をいただいてます。

■前編:「産後5日で就活開始…『学生パパママ』の壮絶 カネも職もない!経験者5人が明かす奮闘記」
http://toyokeizai.net/articles/-/112645

■後編:「学生結婚・出産で、実際キャリアは積めるのか 困難だらけ!でも企業も社会も変わり始めた」
http://toyokeizai.net/articles/-/113785

今回は、このコラムのために開催した座談会を開く際、心に残った点について書きたいと思います。そして後半は、このコラムをきっかけに、コラム登場者の方から私にご紹介いただいた、同じ学生出産を経験された西村創一朗さんとの出逢いも記しておこうと思います。

今回、東洋経済の編集者さんとは、「座談会に登場する皆さんには匿名で語っていただこう」と、事前に話しておりました。学生出産という一つの選択肢があることを伝えるためには、綺麗ごとよりも、生々しい現場のリアルを語っていただく必要がある。そのためには、ご本人のプライバシーを考慮して、匿名のほうがいいのでは、と、思っていたのです。

ところが、座談会当日。皆さんは全員「実名で参加します」と快諾してくれました。それだけ、ご自身の経験を惜しみなく披露し、メッセージを伝えたいという覚悟の表れだと感じました。

記事が公開された後は、参加してくださった方々のもとに「実は自分も学生出産で、周囲に明かせなくて辛い」という相談があったそうです。人知れず悩んでいる「学生パパ・ママ」、きっと、藁をもつかむお気持ちだったことでしょう。

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そして今回のコラムをきっかけに、座談会登場者のひとり、柳下桃子さんのご紹介で、同じ学生出産を経験した西村創一朗さんをご紹介いただきました。

西村さんが勤務する、東京駅八重洲口にある某社のカフェを目指して、柳下さんのベビーカーを引きながら、ビルの39階へ……。お会いするや否や、西村さんは、奥様が学生出産した当時のいきさつから今後の抱負までを語りつくしてくださいました。パパになったときは大学1年生。大反対だった奥様のご両親を猛烈説得し、学生時代は月に20万円稼ぐほどのバイト漬け。「子を養う」覚悟が違います。就活のときには、インターンでは積極的に「学生パパ」であることをアピールすると、予想外に企業側の好感触を得られて自信につながったとか。今の勤務先でものびのびと新規事業に携わりながら、NPO法人ファザーリング・ジャパンの理事や、プライベートではご自身の会社を興したりと、圧巻の行動力を発揮しているお方です。一般には「へえーーー」と驚かれる話かもしれませんが、同じ経験をした当事者同士だからこそ共感・共鳴できることもあり、あっという間の1時間でした。

西村さんは言います。「学生で出産することも、アイデンティティだ」と。体験がベースになり、起業した会社では「何かをするために何かを捨てる」のではなく、あえて「二兎を追う」ことをモットーにしているそうです。

 西村さん:
http://now-or-never.jp/?page_id=71

 「学生出産」というと、「順番が違う」などと、強い抵抗を感じる方も少なくないと思います。しかし、「ライフイベントの前倒し」という選択肢の一つであるという考え方が偏見を受けることなく、「学生パパ・ママ」たちも生きやすい世の中になること。社会や企業側も「過去の常識」や「お決まりのパターン」に左右されず、働く意思や有能さで採用、登用をする受け入れ態勢が広がること。そんな一歩になることを切に願っています。

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