「君に友だちはいらない」は未来を生きていくための指南書
2013年12月29日
営業という世界に身を置いていると、ダイレクトに顧客や外部環境と接するために、ここ数年だけでも「大きな変化」を肌で感じます。
例えば、数年前は過去最高の売上を叶えていた営業スタイルが、今おなじスタイルで顧客に提案しても通じなくなっているということ。
売れ筋ラインが、昨年と大幅に入れ替わっているということ。
増税前の需要増な一方で、調達先や為替の変化により収益を確保するのが難しくなっているということ。・・・
外部環境の変化だけではありません。働く私たち女性にとっても、自分の置かれた状況や年齢、ステージによって抱える不安も変わります。
例えば、30歳を前にして結婚や出産などライフイベントを過度に意識してしまうこと。
長時間労働に疲弊しこのままでは心も体ももたないと漠然とした不安に悩まされてしまうこと。
海外留学や資格取得など、「何か」を身に着けたいと思うのに、どうすればいいかわからないこと。
今の会社では将来が見えず、転職を本気で考えてしまうこと。・・・
そう、どこかで少なからず、「このままでは、行けない」と思ってしまう。私も例外ではまったくありません。
そんな時に、漠然とした不安がやわらぎ、未来を生きるためのヒントを投じてくれるのがこちらの一冊です。
「君に友だちはいらない」(瀧本哲史著・講談社)
ビジネス書を良く読まれる方ならご存知かもしれません。「僕は君たちに武器を配りたい」(11万部のベストセラー、2012年「ビジネス書大賞」受賞)著者であり、京都大学客員准教授・瀧本哲史氏の新刊です。
刺激的なタイトルの通り、“友だちごっこ”を辞めなさい、なのですが、換言すると「正しいチームづくり、正しい仲間づくり」を通じた未来の生き方本です。
本書では、「SNSで友だちの数を競ったり、ラインの既読に一喜一憂したり、居酒屋やシェアハウスで愚痴を言い合ったりする“友だち”ごっこは人生の無駄遣いである」と指南します。そうではなく、ともに試練を乗り越え、ひとつの目的に向かって突き進んでいく“仲間”をつくりなさい」と、説いています。
私は営業部女子課という女子コミュニティを主宰する立場でもあり、日々無数の女性の人材育成に携わっています。そこで感じるのが、女性は比較的その共感力や協調力という“武器”を活かした仲間づくりが得意だということです。事実、営業部女子課でも初対面の女性同志が緊張しながら集まっても、一分後にはまるで知己のような間柄になってしまいます。
しかしながら、「女性の仲良しグループ」だけでは、厳しいビジネスの場では認められません。だからこそ、本著が説く「切磋琢磨できる戦友」的な存在同志繋がり、異分子な才能の掛け合わせで大きなチカラを生み出していく。レベルの高い仲間と過ごす環境は、何よりも自分自身を育ててくれるのです。未来を不安に思うなら、まずは環境を変えていく行動は間違いなさそうです。
仲間づくりが得意な女性にこそ、読んでほしい一冊。
私は全国47都道府県の活性を、47人の営業女子リーダーに活躍してもらう「花咲かプロジェクト47」に挑戦中ですが、本著にあった「これから求められるのは一人のカリスマではなく群雄だ」という氏の言葉には凄まじく励まされました。
「こんな仲間を探しにいこう!」
「こんなミッションを叶える一歩を踏み出してみよう!」
2014年に向けて。スカッとした読後感とともに、未来を生きていくための指南書になれば素敵ですね。