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「人はなぜ、坂本龍馬が大好きなのか?」を素人が考えてみた

2014年3月5日

高知行脚最終日です。前日は、女性に囲まれた世界とは打って変ってオール男性50名に囲まれた1日でした。有り難くも貴重な仕事をさせていただき、お客様たちと楽しい打ち上げを。土佐ならではの鰹のタタキやあおさのりに舌鼓でした。
そして今日、本来は午前中の東京でのアポに間に合わせるべく朝いちばんの便で帰京する予定だったのが、そのアポがリスケになるという報告が。なんて嬉しいことでしょうか。突発的な数時間休暇を手に入れて、帰京のフライトを昼に調整し、向かった先は桂浜の坂本龍馬の銅像です。
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拝啓 坂本龍馬様、貴方様はなぜ、こんなにも人に好かれているのでしょうか?
その答えをズバリと的確に体現したのが、こちらではないかと思います。
「天に意思がある。としか、この若者の場合、おもえない。
天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、
その使命がおわったとき惜し気もなく天へ召しかえした。」
かの司馬遼太郎先生が残したお言葉です。司馬先生の『竜馬がゆく』は大ブームにもなりました。
これまで幾人も、いや幾人どころか大多数の人(特に男性陣)は坂本龍馬大先生のことが大好きだと感じます。私が社外役員を務める会社の入口にも、龍馬像がドンとそびえ立っていたくらいでしたから。
それまで正直、龍馬ときいてスゴイくらいにしか思えなかった素人の私が、せっかく手に入れた数時間の休日、龍馬はなぜそんなにも魅力的なのかについて想いを馳せてみました。坂本龍馬記念館にも足を運び、その世界観に耽るほど、想像に余り有る龍馬の33年の生涯に心は魅せられます。
人はなぜ、龍馬が大好きなのか?
私なりにその魅力をまとめてみました。
魅力1:
当時は尊王攘夷論が台頭した時代で、鎖国をやめ外国と積極的な外交が必要だと主張する勝海舟がいました。龍馬は、(ある説によると)勝海舟の考えが許せずに暗殺目的で向かうのですが、海舟のグローバルな話を聞いた龍馬は感動し、自分の小さな見識に反省して、海舟に弟子入りしてしまいます。
自分の考えが間違っている時はそれを認め、すぐに軌道修正するフレキシビリティ。
さすが龍馬です。
魅力2:
また日本を変革するために、当時巨大な権威を持っている薩摩藩と長州藩を協力するように、「武力ではなく、話し合い」を持って薩長同盟締結に至ります。
当時はワンマン権威の振りかざしが権力のものさしとしていた時代なのに、あえて合理的な協調策をとりました。
さすが龍馬です。
魅力3:
「薩長同盟」が結ばれた2日間後、宿泊していた寺田屋で幕府の役人に暗殺される危機に襲われますが、その命を救ったのが、のちの龍馬の妻・お龍でした。これがかの有名な寺田屋事件です。命の恩人・お龍と龍馬は結婚し、日本で初の新婚旅行といわれる霧島へ温泉旅行に旅立ちます。そこで夫婦喧嘩らしきことが起こるのですが、龍馬は(ある説によれば)泣きながら勝気なお龍に詫びたとされています。
自分の芯は持ちつつも、愛する妻の前では頭を下げることができる素直さ。
さすが龍馬です。
魅力4:
当時混乱だった社会を、新しい日本のために準備を始めた龍馬。戦争ではなく、平和に立て直すために纏められたのが「船中八策」です。しかも、龍馬独断で決めたのではなく、全国の有識者の意見を集約したチームの作品。これがのちの、歴史的な「大政奉還」の成立になりました。
現場の意見に真摯に耳を傾け敬意を表し、まとめていく姿は現代でいう「サーバントリーダー」みたいなものでしょうか。
さすが龍馬です。
その他、刀が主流だった時代に龍馬はピストルを、足袋や着物が主流だった時代に龍馬はブーツに和服を、初の会社組織とも呼ばれる海援隊にはベテラン陣のみならず若手を大抜擢するなど、固定観念に迎合するのではなく、可能性ある新しい価値も積極的に取り入れる精神は、まさにベンチャースピリットそのものです。
自分の利益より、社会の利益。
まだ見ぬ「未来のため」に奔走し、「世の中を良くしよう」という真っ直ぐな使命に命を捧げた33年間。
あまりにも悲しすぎる最期(龍馬暗殺、近江屋事件)でしたが、日本にとって巨大な転機となり得る明治維新へ紡いだ龍馬。司馬遼太郎先生の言葉を借りれば「その使命が終わったときに天に召しかえされた」ともいえるのでしょうか。
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龍馬の心は、今でも多くの青年の心を揺さぶり続け、日に日に大小さまざまなベンチャーが生れています。
龍馬の偉業なくして、今はなし。敬愛募らないはずはありません。
こころがふるえる感動の言葉。もう一度、引用します。
「天に意思がある。としか、この若者の場合、おもえない。
天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、
その使命がおわったとき惜し気もなく天へ召しかえした。」
  by司馬遼太郎先生
龍馬が成し遂げた偉業にロマンを抱き想いを馳せてみる。いつのまにか太平洋の波の轟音は美しい音色に生まれ変わり、心地よく耳に響いておりました。
どんよりとした重たい空にも、雲の向こうからぼんやりと光が差し込んできました。
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束の間の数時間。頭を空にしたロマンチックな時間は、プライスレスなひとときでした。
明日からは再び、東京から全国行脚に向かいます。
(以上の話は、個人的な私見が入っています。あくまでも、龍馬が好かれる理由を素人が個人的に考えてみた備忘録としてご覧いただければ幸いです)
 

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