「エイジョカレッジ」サミット2017に参加してきました
2018年2月19日
営業女性の活躍推進に向けた提言を行う異業種合同プロジェクト「エイジョカレッジ」の「サミット2017」に審査員として参加してきました。
女性の働き手は10年で約1割しか現場に残らないと言われる、営業の世界。そんな中、業界を変えるための熱い情熱、たくさんの刺激、学び、想いが溢れる半日でした!
・今回のテーマは「次世代型営業モデル」の創造。参加した各企業が、長時間労働を良しとする風潮や、キャリアの先を見通しにくい仕組みなどを変えるため、根本にある「営業そのもののあり方」に目を向け、様々な働き方に関する実証実験を行いました。
・優勝チームは「新日鉄住金ソリューションズ」の「チタン女子チーム」。時短で、かつ働き甲斐を醸成させる手法のひとつとして「お互いに褒め合う」「感謝し合う」「勇気づける」という流れを、ブロックチェーンシステムで社内開発。運用した結果、新規顧客接点が前年同月比65%増。「社内の雰囲気が良くなった」と答えた人が87%。総労働時間前年同月比16%削減。これまでも定番「サンキューカード」など、「やった方がいいとわかっているけど、実際にはできていないフィードバック文化」にあえて焦点を当てた取り組みを行っており、それぞれの手法に汎用性もあり、大いに注目を集めました。
・特別賞は「リコージャパン」の「プレミアムエブリデー!」。泥臭い営業活動に固執せず、毎日16時退社をしながら、成果は労働時間22時間削減、売上は250%アップ。生産性を高めて成果を出したことは、社内でも大きな話題になったと言います。
・食品系営業女子混合プロジェクトのKeepSmilingチームでは、業界を変えようと試みるガイドライン作成の提案など、新たな挑戦がありました。
・「エイジョ白書2017」の中には、面白い調査結果が載っていました。「顧客価値をどう出すか?」というテーマで、「先回りした情報収集、分析」「精度の高い情報収集、仮説提案、さらなる顧客の課題設定」ができる営業職が、顧客から期待されているとのこと。顧客自身が「何が問題かわからない」時代です。営業がどのようにプロフェッショナルの振舞いをできるかが問われています。
・男女比で見ると、顧客から女性営業職に期待されているのは「確実性 微細な箇所への感度の高さ」が最多。従来の「表敬訪問や接待」を期待する声は減少傾向にあります。
・「AIが発達する時代に営業の仕事はなくなるのか?」という議論もなされました。YAHOO JAPAN安宅和人さんや、同じ審査員でAIのスペシャリスト・児玉哲彦さんらのお話は興味深かったです。「仕事がなくなる、なくならない」ということよりも「顧客とのタッチポイントが激変する」という視点からの議論。「対面営業信仰」が崩壊している今、顧客とのコミュニケーションのあり方も激変していることを再確認しました。
私が特に印象に残ったのは、個人営業から組織営業が、売る側買う側共に期待している視点。つまり、担当1人営業からチームや複数担当で担うこと。
私もいわゆる「カリスマ営業」はなくなると思っています。とはいえ、組織だけに頼ると、働く個人の能力開発や個人のモチベーションが低くなってしまわないか?
それをワーク・ライフ・バランス研究の権威・佐藤博樹先生に伺うと
「主治医の仕組みのように、チーム内でもあの人がいい、などと指名はありながら、組織対応によって、ひとり担当では不可能だった幅広な価値提供が可能になる」とのこと。組織営業やペアリング営業は、生産性を高めるばかりか相互学習効果もあり、営業女子が働く現場で大いに役立つ仕組みだと思います。
それにともない、私たちがモチベーションを上げる心理構造も変わってきそうです。
かつては顧客から「あなたから買いたい」と言われることが原動力となっていましたが、今後はもっと違う形の「やりがい」「達成感」が生まれていくのではないでしょうか。
顧客に奉仕し、時には振り回されすぎて、身を粉にして働くしかなかった営業の世界。
自社組織や個人だけが変わっても、顧客側や業界そのものの考え方が変わらなければ、変革は進みません。今回はそれら全体を巻き込んだ視点や提言があったことが素晴らしいと思いました。
改めて、審査の段階から凄い企画に呼んでいただいた「変革の女神」ことChangeWAVE佐々木 裕子さん、有難うございました!
ちなみに、自分が大切にしている働き方をさりげなく顧客にアピールできる「ハグマーク」も無料で誰でも使えるのでオススメです。
数社の名刺に入れて実験済みですが、顧客との雑談でも盛り上がり、理解を得ることもできたそうです。私も、子育てが終わった今、仕事以外で人生に欠かせないものができました。大学院での研究生活や趣味の登山、そして営業部女子課の運営などです。これらを大切にするため、このマークを活用したいと思います。
http://eijyo.com/hugmark/
このエキサイティングな取り組みは本当に面白く、たくさん学ぶことができました。私も「女性の営業力を高める」を目指す営業部女子課の活動や、大学院の研究テーマである「女性営業職に心理学的にアプローチする研究」を通じて、一緒にこの業界を盛り上げていきます!