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宝剣岳(ほうけんだけ)/「山」という場所

2016年5月14日

先日は中央アルプスにある、宝剣岳にてショートトレーニング。本来なら北アルプスの穂高バリエーションルートに行くはずが、あいにく山の天気は荒れ模様。穂高は完全に諦めて、急遽、宝剣岳へ場所を変えました。それも、天気がもつまでという条件付き。いつもながら、花谷さんのサポートをいただいて登らせてもらいました。

宝剣岳といえば、滑落死亡事故が毎年発生する危険な場所。この日も慎重に、ロープで安全を確保しながら足元の一歩一歩を緊張しながら進みます。先日の妙義山の経験のお陰で「ビビり感」は少なくて済みましたが、それでも山では何が起こるかわかりません。

情けないことに、私の身体は重く感じた1日でした。自分の非力さに落ち込みながら木曽駒にも寄って、雨が降る前のお昼には下山することができました。
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GWには穂高をはじめ、全国の山にて多くの登山事故、遭難事故が起きました。このブログでは、私の趣味としての登山を楽しく綴っていますが「山はとんでもなく危険な場所だ」ということも記しておきます。幸い、私は花谷さんというプロ中のプロの方から、ダイレクトに教えてもらえる機会に恵まれているため、危機管理意識は醸成されてきたほうだとは思います。それでも、まだまだ山はわかりません。天候も急変するし、滑落や停滞、遭難も起こり得るし、雪崩の危険性だってあるし。不測だらけの出来事が容赦なく襲ってくると、山は恐ろしいものだと自覚せねばなりません。

山、特に雪山では、装備や知識、技術が当然ながら必要です。次はあそこへ登りたい、と目標が上がるたびに、命が危険にさらされる可能性も比例して上がるのも、山の現実です。私も毎度、山に入る時は相当の緊張感を背負い、その持続に耐えています。ですから下山後の帰りの特急電車では、抜け殻のように、疲れがどっと出ます。そして感謝します。「思うように登れた、登れなかった」に関わらず、無事に下山できたことを。

それでも、なぜ山に登るのかと言えば、やっぱり「楽しい」のですよね。その場その時でしか味わえない絶景があり、大自然の中に、心を裸にして我が身を置く喜びを噛みしめる。この場で山を語るなんて100年早いけれど、それでも伝えられたらと思います。
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登山道にあったこちら。「天候はわれらに機会を与えず」 重すぎる言葉、まさにそうですね。

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