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「営業マン」という言葉に見るアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)について

2021年7月2日

※本記事は2021年7月2日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
 日経xwoman Terrace(アンバサダーブログ)のサービス終了(2025年6月末予定)に伴い移転された内容です。

「早く絶版になってほしい #駄言辞典」(日経BP)という書籍を紹介する文章だ。
ピックアップされている「駄言」のひとつひとつ、どれをとっても、考えさせられるものばかりなのだが、私は中でもこの「駄言」に注目した。

「営業マン」
うちの会社の提案書にはいまだに営業マンという言葉が入っていたり、社内のメールでも営業マンと書かれていたり。女性の営業いますけど??(ツイッターより)<本文より引用>

「営業マン」という呼び方、言葉を、みなさんはどう受け止めるだろうか。

「うちの会社では、そんな呼び方はここ数年聞いていません」、と言う人もいるだろう。一方で「自分の会社では未だに使われている」と言う人もいるのではないだろうか?
実際に、わたしの周りの女性営業の方からは、こんな訴えを耳にする。

「社内の連絡では普通に『営業マンの皆さんは……』と言われます。そのことに誰も違和感を持っていない様子です」

つまり「営業マン」という呼び方にそもそも何の問題があるのか、どこに疑問を呈されているのかすらわからない職場があるということなのだ。
令和の今も、である。
とても悲しいことだが、本文にあるとおり
「20年経った今でも『性別による仕事内容の決めつけ』を残している企業はなくなってい」ないのだ。

「営業マン」という呼び方は、かつて「営業は男性の仕事」と認識されていた時代には適していたのだろう。
恥ずかしながら私自身、営業部女子課を立ち上げる前は疑うことなく、この呼び名を使っていた。

しかし、今は女性の社会進出が進み、様々なライフイベントを経ながらも仕事を続けられるような働き方が導入されはじめている。
営業職においては、人数としてはまだまだ男性の方が多いという現実はあるものの(営業部門で男性が9割以上占める職場は65.3%。2015 年「労働政策研究・研究機構」より)だからこそ、社会の変化に合わせて「呼称」も変えていくべきだろうと思う。

そんなことを書いていると、私自身も襟を正さなければならないと思い始めた。
自分がなにげなく使っている言葉は、時代や人の心の変化に追いついているか?
誰かを傷つけていないか?
かつては常識だった言葉が、今は非常識になっていることだってある。
それくらい、世の移り変わりは早い。常に心を配る必要がある。

「営業マン」という呼び名。
いつか「そんな言葉もあったよね」と笑える時がくることを願っている。

重症事故から4か月と少し。八ヶ岳の山をゆるくハイキングできるくらいまで回復してきました。生きているだけで丸儲け。そう感じるこの頃です。

※本記事は2021年7月2日当時の、日経xwoman Terraceアンバサダーブログに投稿された内容です。
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